こむら返り
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芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)が、こむら返りに対して即効性のある効果を発揮するのは、構成されている2つの生薬(芍薬と甘草)が、筋肉の収縮に関わる**「イオンの動き」に直接働きかけるから**です。
そのメカニズムを分かりやすく解説します。
1. 2つの生薬による「ダブルブロック」
こむら返りは、筋肉が異常に興奮して「縮め!」という信号が出続けている状態です。芍薬甘草湯は、この信号を2つのルートで遮断します。
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芍薬(ペオニフロリン):カルシウムを抑える
筋肉が収縮するには、細胞内にカルシウムイオンが入る必要があります。芍薬の成分は、このカルシウムの流入をブロックし、筋肉が無理に縮もうとするのを防ぎます。
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甘草(グリチルリチン酸):カリウムを調整する
甘草の成分は、カリウムイオンの出入りを調整することで、神経から筋肉への興奮伝達を鎮めます。これにより、筋肉の異常な興奮(けいれん)が収まります。
2. 即効性の理由
一般的な漢方薬は「体質を改善して徐々に治す」ものが多いですが、芍薬甘草湯は例外的に**「今起きている症状を抑える」**ことに特化しています。
服用後、成分が比較的早く血液中に吸収され、筋肉の細胞に直接作用するため、数分〜十数分という短時間で効果を実感しやすいのが特徴です。
3. 東洋医学的な視点
漢方では、筋肉の動きを支える栄養を「血(けつ)」と呼びます。
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芍薬は「血」を補い、筋肉を滋養して柔軟にする。
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甘草は「急迫(急な痛みやけいれん)」を緩める。
この組み合わせが、不足した栄養を補いつつ、硬くなった筋肉を急いで緩める役割を果たします。
[!CAUTION]
注意点: > 甘草を多く含むため、長期間飲み続けると「偽アルドステロン症(血圧上昇やむくみ)」などの副作用が出る恐れがあります。基本的には「つった時」や「つりそうな時」に頓服(とんぷく)として使うのが一般的です。