エステル
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エステル記の整理
エステルとは
エステル(Esther, Ester)は、旧約聖書「エステル記」の主人公であるユダヤ人女性。ペルシャ王アハシュエロス(クセルクセス1世、紀元前485年〜前465年在位)の王妃となった人物。
王妃となるまでの経緯
背景
- 先代の王妃ワシュティが王の命令に従わず、王は新たな王妃候補を探していた
- 首都スサにエルサレムから連れてこられた捕囚民モルデカイというユダヤ人が住んでいた
エステルの境遇
- 本名はハダサ(ペルシャ名がエステル)
- 両親を亡くし、従兄のモルデカイの養女として育てられた
- 姿も顔立ちも美しく、王宮に集められた美女の一人となった
- 宦官長と王に気に入られ王妃となったが、ユダヤ人であることは明かさなかった
ユダヤ人救済の物語
事件の発端
- 養父モルデカイが大臣ハマンへの敬礼を拒否
- 怒ったハマンはモルデカイだけでなく全ユダヤ人の殺害を決定
- くじ(プル)によってユダヤ暦アダル月13日が処刑日と定められた
エステルの行動
- モルデカイの助けを求めに応じて決死の覚悟を決意
- 王に自分がユダヤ人であることを明かし、ハマンの陰謀を告発
- 結果、ハマンは自ら用意した処刑具で処刑され、モルデカイは高官に昇進
記念日 この出来事を記念して、ユダヤ暦アダル月14日と15日はプリム祭という祭日となっている。
歴史的評価
実在性への疑問 エステルの実在を示す歴史的資料は未発見のため、神への信頼を説くために創作された物語との見方もある。
同一人物説 ヘロドトスが記録したクセルクセス1世の王妃アメストリスとエステルを同一視する説も存在する。ただし、ヘロドトスの記述では、アメストリスはペルシア人から強く苛烈な女王として認識されていたとされる。