クラウドIDE

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Google Cloud の開発者向けツールである Cloud Code およびその主要な AI 機能である Gemini Code Assist の料金体系についてご説明します。

💰 Google Cloud Code の料金

Google Cloud Code 自体は、VS Code 拡張機能や Cloud Shell Editor の機能として提供されており、基本的には無料で利用できます。

ただし、AI コーディング支援機能 (Gemini Code Assist) を利用する場合や、Cloud Code で開発したアプリケーションを Google Cloud のリソース(Compute Engine、Cloud Storageなど)にデプロイ・実行する場合、そのリソース利用料は別途発生します。

1. Gemini Code Assist (AI機能) の料金

コードの自動補完や生成、デバッグ支援などを行う AI アシスタント機能です。

プラン名 料金(目安) 主な対象 主な特徴
Individuals (無料プラン) 無料 個人、学生、フリーランス 毎月最大18万回のコード補完(1日約6,000回)とチャット機能が利用可能。
Standard 年間契約:月額 $19 / ユーザー (約2,850円) 中小規模の企業チーム ほぼ無制限の利用、生産性指標の提供、Google Cloud サービスとの統合機能。
Enterprise 年間契約:月額 $45 / ユーザー (約6,700円) 大規模組織、セキュリティ重視の法人 Standardの全機能に加え、企業向けセキュリティ、専用サポート、高度な管理機能。

: 上記の日本円換算は目安です。実際の料金は為替レートや契約方法によって異なります。また、Enterprise プランは通常、最低アカウント数(例:10アカウント)から契約が必要になる場合があります。

2. Google Cloud のリソース利用料

Cloud Code を使って開発したアプリケーションをクラウド上で実行する場合、以下の Google Cloud のサービスに対する従量課金が発生します。

サービス名 発生する料金の例 無料枠の例(Always Free)
Compute Engine (VM) 仮想マシン(VM)の起動時間とスペックに応じた料金。 一部のリージョンで e2-micro インスタンスが月間一定時間無料。
Cloud Run リクエスト数、コンピューティング時間(vCPU秒)、メモリ使用量に応じた料金。 毎月一定量のリクエスト数とコンピューティング時間が無料。
Cloud Storage データ保存容量に応じた料金。 5 GB/月 までの Standard Storage(米国リージョンなど)。
BigQuery クエリ処理量(スキャンしたデータ量)に応じた料金。 1 TB/月 までのクエリ処理、10 GB/月 までのストレージ。

🎁 無料で試す方法

Google Cloud を初めて利用するユーザーには、以下の無料特典が提供されています。

  • 無料トライアル: $300 相当の無料クレジットを新規ユーザーに提供(有効期限あり)。このクレジットを使って、Compute Engine などの有料サービスを試すことができます。
  • Always Free(無料枠): 上記のように、20以上の主要プロダクトについて、毎月一定の使用量まで永続的に無料で利用できます。

Gemini Code Assist の無料プランと、これらの Google Cloud の無料枠を組み合わせることで、大きな費用をかけずにクラウド開発環境と最新の AI アシスタント機能を試すことが可能です。

Gitpod(クラウド上で開発環境を提供するサービス)と類似のサービスには、以下のようなものが挙げられます。

🖥️ 主な類似サービス

Gitpodと同様に、ブラウザベースで開発環境を提供し、プロジェクトをすぐに開始できる**クラウドIDE(統合開発環境)**サービスが多いです。

  • GitHub Codespaces
    • 特徴: GitHubに完全に統合されており、リポジトリからワンクリックで開発環境を起動できます。Visual Studio Code (VS Code) ベースです。
  • CodeSandbox
    • 特徴: ウェブアプリケーション開発、特にフロントエンド開発に強く、ブラウザ上でのリアルタイムコラボレーションやプロトタイピングに優れています。
  • Replit
    • 特徴: 多様なプログラミング言語に対応しており、環境構築が不要で、すぐにコーディングを始められます。特に新規プロジェクトの立ち上げや学習用途にも人気があります。AIを活用したコーディング支援機能もあります。
  • Coder
    • 特徴: 開発者が自身のインフラ上でセキュアなリモート開発環境(VS Codeなど)をホスト・管理するためのプラットフォームです。

🛠️ その他の関連サービス

  • Eclipse Theia / Eclipse Che
    • 特徴: クラウドIDEのプラットフォームを提供するオープンソースプロジェクトです。
  • DevPod
    • 特徴: 任意のインフラストラクチャ上で開発環境を構築・管理するためのオープンソースツールです。
  • DevZero
    • 特徴: エンタープライズ向けのクラウド開発環境プラットフォームを提供します。
  • Codeanywhere
    • 特徴: 複数のクラウドストレージやバージョン管理システムと連携できるクラウドIDEです。

これらのサービスは、**「環境構築の手間を削減し、ブラウザさえあればどこでも開発できるようにする」**という点でGitpodと共通しています。利用目的や必要な機能(GitHubとの連携、対応言語、コラボレーション機能、ローカルPCの性能への依存度など)に応じて最適なサービスが異なります。

「MCPと連携できるサービス」は、文脈によって2つの異なる意味があります。

  1. AIエージェントの連携規格としての「MCP (Model Connect Protocol)」
  2. Microsoftの認定資格としての「MCP (Microsoft Certified Professional)」

1. 🤖 AIエージェントの連携規格「MCP」との連携サービス

ここでいう**MCP(Model Connect Protocol)**は、AIエージェント(ChatGPT、ClaudeなどのLLM)外部システムやツールを接続するための新しいプロトコル(規約)を指します。

MCPプロトコルに対応することで、AIが外部のデータを取得したり、システムを操作したりできるようになります。

主な連携(対応)サービス・ツール

AIエージェントと連携するために使用される主なサービスやツールの例です。

  • 情報取得・データ連携
    • GitHub: コードリポジトリやバージョン管理ワークフローとの連携。
    • Google Calendar: スケジュール管理の操作。
    • Google Drive: クラウドストレージ上のファイルの読み書きや整理。
    • Amazon Bedrock Agents: AWS上でAIエージェントを構築する機能。
    • Brave Search/Fetch MCP Server: Web検索結果の取得や、特定のURLからのコンテンツ抽出。
    • Supabase: データベースとの連携。
  • ブラウザ自動化
    • Playwright MCP Server: ブラウザ自動化APIを利用し、AIがウェブページと対話できるようにする。
  • AIモデル・プラットフォーム
    • Claude、OpenAI (ChatGPT)、Perplexity AI
  • 開発・自動化ツール
    • VS Code(Visual Studio Code)、N8N(ワークフロー自動化ツール)

簡単に言えば、AIに外部の情報を読み込ませたり、外部のシステムを操作させたりするために、多くのシステムがMCPを通じて連携できるようになっています。

企業が利用する人気のクラウドIDE(統合開発環境)として、特にエンタープライズ分野で強い勢いを持っているのは、巨大なクラウドプラットフォームと連携しているサービスです。

Gitpodのような「ブラウザで即座に開発環境を提供する」という特性を持ちつつ、企業のセキュリティ、インフラ、既存のエコシステムとの統合を重視したサービスが人気です。

🏢 企業で人気のクラウドIDE/リモート開発環境

サービス名 提供元 特徴 企業利用のポイント
GitHub Codespaces Microsoft (GitHub) GitHubリポジトリに完全に統合されたVS CodeベースのクラウドIDE。 GitHubとの親和性が非常に高く、多くの開発者が慣れているVS Code体験をクラウドで実現できる。Microsoft Azureのインフラを利用。
Visual Studio Code (Remote Development) Microsoft クラウドIDEそのものではありませんが、VS CodeからSSHやコンテナを使ってリモートサーバーやクラウド環境を操作する形態が企業で広く利用されています。 多くの開発者が利用するデファクトスタンダードのエディタ/IDEであり、セキュリティが確保されたリモート環境に接続して開発できます。
Gitpod Gitpod あらゆるGitリポジトリから、瞬時に開発環境(コンテナ)を起動。オープンソースベース。 環境構築ゼロの体験を提供し、オンボーディングやブランチごとのテスト環境構築の効率が高い。
JetBrains Gateway / Code With Me JetBrains IntelliJ IDEAなどのJetBrains IDE(PyCharm、WebStormなど)の機能をリモートで利用。 Java開発をはじめ、各言語に特化した高機能IDEの体験を、ローカルPCの性能に依存せずに利用できる。
Coder Coder 企業自身のインフラ(AWS、Azure、GCPなど)上に開発環境をホスト・管理するためのプラットフォーム。 セキュリティとカスタマイズ性に優れ、エンタープライズの厳しい要件に合わせて自社管理下のクラウドで開発環境を提供できる。

💡 なぜこれらのサービスが人気なのか?

企業がクラウドIDEを利用する主な理由は、以下の点にあります。

  • オンボーディングの高速化: 新しい開発者が参加した際に、数分で必要な環境をセットアップし、すぐにコーディングを始められる。
  • 環境の統一と管理: 開発者ごとに異なるローカル環境に起因する「私のPCでは動く」問題を解消し、全社的な環境の標準化・一元管理が可能になる。
  • セキュリティの強化: ソースコードをローカルPCに残さず、セキュアなリモート環境で作業することで情報漏洩のリスクを低減できる。
  • ローカルPCの性能依存の解消: 大規模なビルドやコンパイルの処理をクラウド上の強力なサーバーで行うため、開発者のPCスペックに左右されない。

ご興味があれば、これらのクラウドIDEを企業がどのように導入し、生産性を向上させているかの事例について詳しくお調べすることも可能です。

特に人気が高く、開発者が個人利用や学習目的で無料で始められるサービスは以下の通りです。

🆓 無料プラン(無料枠)がある主なクラウドIDE

サービス名 無料プランの主な内容 注意点
GitHub Codespaces 個人アカウント(Free): 毎月、15 GBのストレージ120コア時間 のコンピューティング時間(2コアマシンで約60時間分)が無料で利用可能。 無料枠を超過すると課金が発生します(上限設定可能)。不要な Codespaces はこまめに停止・削除が必要です。
Gitpod 無料プラン: 毎月 500クレジット が無料で利用可能。 500クレジットは、一般的な開発作業であれば、個人での学習や小規模な開発には十分な時間です。
Replit (Starterプラン) 無料プラン: 基本的な開発環境、限定的なAI機能(Agent機能の一部など)、公開プロジェクトが3つまで 利用可能。開発時間の上限あり(月あたり約600〜1200分程度)。 コードはデフォルトで公開されます。非公開で開発したい場合は有料プランが必要です。
CodeSandbox Free版: パブリックサンドボックス(公開プロジェクト)の作成は可能。Devbox(リポジトリ連携環境)は月 40時間 などの制限があります。 非公開のプライベートサンドボックスを作成するには有料プランが必要です。

💡 無料利用枠を効率的に使うためのヒント

クラウドIDEの無料枠は、「コンピューティング時間(コア時間)」と「ストレージ容量」で制限されていることが多いです。

  • 不要な Codespaces/環境は必ず停止(Stop/Close)する。
    • アクティブな状態(起動中)でのみコンピューティング時間が消費されます。多くのサービスはアイドル状態が続くと自動停止しますが、手動で停止するのが確実です。
  • ストレージも定期的に整理する。
    • 停止していてもストレージ容量には課金(無料枠の消費)が続くため、使わない環境は削除(Delete)しましょう。

まずはこれらの無料プランから試して、ご自身の開発スタイルや必要な機能に合っているかを確認することをおすすめします。

AIとの連携に焦点を当てたクラウドIDEサービスは、現在主流になりつつあり、多くのサービスが強力なAIコーディングアシスタントを統合しています。

主なサービスは以下の通りです。

サービス名 AI機能名 主な特徴
GitHub Codespaces GitHub Copilot Codespaces(ブラウザ版VS Code)内でCopilotを利用できます。コードの自動補完、コード生成、チャット形式での質問・修正提案などが可能です。
Replit Replit Agent AIエージェントが、自然言語の指示(例:「Todoリストのアプリを作成して」)に基づいてコードを生成し、デバッグや修正、最適化まで一連の開発を支援します。
Google Cloud Code Gemini Code Assist VS CodeやJetBrains IDEの拡張機能として提供され、Google CloudのサービスやAPIに関するコード補完・生成をIDE内で直接行えます。

その他のAI連携サービス

上記のクラウドIDE以外にも、AIコーディングアシスタントは多くの開発環境で利用されています。

  • Amazon CodeWhisperer: AWSが提供するAIアシスタントで、VS CodeなどのIDEの他、AWS Cloud9(クラウドIDE)でも利用可能です。
  • JetBrains AI Assistant: JetBrains社の各種IDE(IntelliJ IDEAなど)に統合されています。

これらのAI機能は、開発のスピードアップ、エラーの自動修正提案、複雑なコードの解説など、開発者の生産性向上に大きく貢献しています。