ソドムとゴモラ
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ソドムとゴモラ:概要
ソドムとゴモラは、旧約聖書『創世記』に登場する都市で、神の裁きにより天からの硫黄と火で滅ぼされたとされています。後の預言書でも、神の裁きと滅びの象徴、悪徳や堕落の代名詞として用いられています。
滅亡の経緯
- 預言者アブラハムの甥ロトとその家族は、神の使いによってソドムから脱出しました
- 聖書にはソドムの滅亡が詳しく描かれていますが、ゴモラの滅亡の具体的描写はありません
- ソドムとゴモラに加え、アデマとゼボイムも同時に滅ぼされました(これらの滅亡描写も省略されています)
五つの都市
これらは「五つの都市(Pentapolis)」と呼ばれ、死海周辺の低地(ヨルダン渓谷)に位置していたとされます。五都市のうち、ロトの家族が逃げ込んだゾアルを除く四都市(ソドム、ゴモラ、アデマ、ゼボイム)が神の裁きで滅ぼされ、荒廃の象徴とされています。
罪の内容
聖書における記述
- **新約聖書「ユダの手紙」**では、ソドムとゴモラが「みだらな行い」と「不自然な肉の欲」によって永遠の火の刑罰を受けたと記されています
- 『レビ記』18章では、性に関する規定として、近親相姦、姦淫、同性間の性行為、獣姦などが禁じられています
イスラム教の記述
クルアーンにも同様の物語が述べられており、預言者ルート(ロト)に従わなかった民が滅ぼされました。他の民(ノアの洪水、アード族、サムード族など)が偶像崇拝で滅ぼされたのとは異なり、ソドムの住民は男色などの風俗の乱れによって滅ぼされたとされています。
地理的位置
ソドムとゴモラの廃墟は死海南部の湖底に沈んだと伝えられています。これは『創世記』に記された「シディムの谷」とアスファルトの穴の描写が、死海南部の状況と類似していることに基づいています。ただし、死海南岸付近の遺跡と結びつけようとする研究者も存在します。