卵の脂質
卵の脂質は、そのほとんどが**「卵黄」**に含まれています。
単なる「脂肪」ではなく、細胞膜の材料になる成分や、血液中の脂質バランスを整える成分がバランス良く含まれているのが特徴です。
主な脂質の構成成分を分かりやすく整理しました。
1. 脂質の「種類」と内訳
卵の脂質(卵1個あたり約5〜6g)は、大きく分けて以下の3つで構成されています。
| 成分名 | 割合 | 主な役割 |
|---|---|---|
| 中性脂肪 | 約65% | 主なエネルギー源。卵のコクや旨味の元。 |
| リン脂質(レシチン) | 約30% | 細胞膜の材料。乳化作用があり、悪玉コレステロールを減らす助けも。 |
| コレステロール | 約4〜5% | 血管の壁を丈夫にしたり、ホルモンやビタミンDの材料になる。 |
2. 脂肪酸の「質」(良い油と注意すべき油)
脂質を構成する「脂肪酸」のバランスが非常に優秀です。
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不飽和脂肪酸(約65%): 血液をサラサラにする効果がある「オレイン酸」や、体内で作れない必須脂肪酸の「リノール酸」が豊富です。さらに、脳の健康に良い**DHA(ドコサヘキサエン酸)**も含まれています。
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飽和脂肪酸(約35%): 摂りすぎには注意が必要ですが、卵に含まれる量は適度で、エネルギーとして効率よく使われます。
3. 注目成分:卵黄レシチン
卵の脂質の中で最も注目すべきは、リン脂質の大部分を占める**「レシチン」**です。
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天然の乳化剤: 水と脂を混ぜ合わせる力があり、血管の壁にこびりついた古いコレステロールを溶かして運び出す「掃除屋」のような役割を期待できます。
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脳の活性化: レシチンの構成成分である「コリン」は、記憶力や学習能力に関わる脳内物質の材料になります。
💡 豆知識:卵の脂質は「太りやすい」?
卵1個(約50g)の脂質は約5.2gで、これは小さじ1杯強の油と同じくらいです。しかし、卵の脂質はビタミンA・D・Eなどの「脂溶性ビタミン」の吸収を助ける役割も持っています。
単に脂質を減らすよりも、卵のような「質の高い脂質」を適量摂るほうが、結果的に代謝がスムーズになり健康維持につながります。
卵は1日何個まで?最新の栄養新常識
結論から言うと、健康な成人であれば**「1日2〜3個」**食べても問題ありません。かつての「1日1個まで」という制限は、現在では撤廃されています。
1. 「1日1個」制限がなくなった理由
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体内の調整機能: 体内のコレステロールの約8割は肝臓で作られます。食事からの摂取量が増えると、体内で作る量を減らす調整機能が働くことが判明しました。
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基準の変更: 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015年版〜)」において、食事摂取量と血中コレステロール値に明確な相関がないとされ、上限値が撤廃されました。
2. 1日2〜3個食べるメリット
卵は「完全栄養食品」であり、複数個食べることで以下の効果が期待できます。
| メリット | 具体的な内容 |
|---|---|
| タンパク質補給 | 3個で約20g摂取可能。1食分に必要な量をほぼカバー。 |
| 美容効果 | ビタミンB群やビオチンが、健やかな肌や髪の生成をサポート。 |
| ダイエット | 良質な脂質とタンパク質により腹持ちが良く、間食防止に。 |
3. 注意点とより良い食べ方
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体質への配慮: 遺伝的に数値が上がりやすい方(家族性高コレステロール血症など)は医師の指示に従ってください。
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調理法に注意: バターやマヨネーズの使いすぎは脂質・カロリーオーバーを招きます。
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不足栄養素を補う: 卵には**「ビタミンC」と「食物繊維」が含まれない**ため、野菜や果物と一緒に摂るのが理想的です。
まとめ:おすすめの取り入れ方
「朝に2個、昼に1個」など、分けて食べるのが効率的です。