国を壊さずに立て直す方法
国の衰退をどう止めるか
――日本版・修正ルート編
前稿では、
日本が衰退している原因は「能力不足」でも「誰かの悪意」でもなく、
失敗が修正されない制度構造そのもの
にあることを整理した。
では次の問いに進もう。
「この衰退を、どうやって止めるのか?」
ここでは理想論や革命論ではなく、
**日本で現実的に実行可能な“修正ルート”**だけを示す。
前提:日本はまだ「戻れる位置」にいる
重要な確認から始めたい。
日本は、
-
国家崩壊段階ではない
-
財政も制度も、まだ機能はしている
つまり、
壊す必要はない。修正すればいい段階にある。
この前提を誤ると、
・過激な主張
・感情的対立
・現実性の喪失
に陥る。
修正ルート①「見える化」を最初にやる
衰退国家を回復させた国に共通する第一手は、
例外なくこれだ。
金と権限の流れを、誰でも追える形にすること
日本で現実的にできること
-
一般会計・特別会計・外郭団体を同一フォーマットで公開
-
予算額ではなく
-
実支出
-
目的
-
成果
-
未達理由
をセット表示
-
なぜ最初か
-
見えなければ議論できない
-
見えなければ責任も問えない
透明化は改革ではない。修正の土台である。
修正ルート② 官僚権限と責任を「数値」で結び直す
衰退が進む国には、必ずこの歪みがある。
権限は広いが、責任は曖昧
日本でやるべき修正
-
政策ごとに
-
所管
-
責任者
-
KPI
を明示
-
-
未達の場合の説明義務を法定化
-
深刻な失敗は
-
昇進停止
-
配置転換
を制度として組み込む
-
ここで重要なのは、
懲罰ではなく説明責任である。
修正ルート③ 政治家を「評価できる存在」に戻す
日本では、
選挙=人気投票
になりがちだ。
回復国家では違う。
選挙=成績評価
である。
現実的な修正案
-
公約を数値化し、任期中に達成率を公開
-
国会質問・答弁を全文検索可能に
-
任期評価を、次回選挙で必ず参照できる仕組み
これだけで、
「失敗しても再選できる」構造は崩れる。
修正ルート④ 聖域を「一つずつ」壊す
改革が失敗する最大の理由は、
一気に全部やろうとすること
だ。
回復した国は、
小さく、確実に、例外なく
進めている。
日本で現実的な対象
-
成果指標のない補助金
-
検証不能な外郭団体
-
年功だけで守られる管理ポスト
重要なのは、
例外を作らないこと。
一度でも特別扱いを許せば、
修正ルートは止まる。
修正ルート⑤ 国民を「有権者」から「監査役」に戻す
最後の修正点は、制度の外側にある。
回復国家に共通する条件は、
国民が諦めなかったこと
だ。
現実的にできる行動
-
予算と決算を見る習慣を持つ
-
「財源がない」という言葉を鵜呑みにしない
-
政治家に
-
制度
-
数字
を質問する
-
投票だけでは、制度は修正されない。
監査があって初めて、制度は緊張感を取り戻す。
結論――止め方は、もう分かっている
日本に必要なのは革命ではない。
透明化 → 数値化 → 監査
この順番を守ることだ。
国が回復するかどうかは、
制度の完成度では決まらない。
失敗を見つけ、止め、直せるか。
それができる国だけが、
衰退ルートから離脱できる。
拡散用・最終一文
国を壊さずに立て直す方法はある。
失敗が見え、責任が問え、修正できる国に戻すことだ。
想定反論つぶし編
――なぜ「それは無理だ」は成立しないのか
前稿で示した「日本版・修正ルート」に対して、ほぼ必ず出てくる反論がある。
「理想論だ」
「現実的ではない」
「日本では無理だ」
本稿では、感情的に反論するのではなく、
構造としてそれらの反論が成立しない理由を一つずつ整理する。
反論①「制度が複雑すぎて国民には理解できない」
これは最も多用される反論だ。
しかし、ここには明確な論理のすり替えがある。
問題は「理解できない」ことではなく、
理解できる形で出していないことだ。
海外の回復国家がやったのは、
-
制度を簡単にしたことではない
-
見せ方を統一したことである
数字・目的・成果を同じ形式で並べれば、
専門知識がなくても「おかしさ」は分かる。
複雑さは、不可避ではなく設計の問題だ。
反論②「透明化すると現場が萎縮する」
これも頻出する。
だが、透明化で萎縮するのは
-
失敗を説明できない場合
-
成果を示せない場合
に限られる。
回復国家では、
失敗そのものより、
説明しないことの方が問題
とされる。
説明責任は、現場を縛るためではない。
無意味な業務を減らすための装置だ。
反論③「官僚に責任を負わせると誰も動かなくなる」
これも日本で非常によく聞く。
しかし、責任と懲罰を混同している。
求めているのは、
-
罰することではない
-
説明できることである
KPIと説明義務があれば、
無謀な政策は減り、
合理的な挑戦はむしろ評価される。
実際、回復国家ほど
官僚の裁量は「明確化」されている。
反論④「政治家を評価するとポピュリズムが強まる」
事実は逆だ。
評価基準がないから、
ポピュリズムが成立する。
数値化された公約と達成率があれば、
-
印象操作
-
雰囲気政治
は通用しなくなる。
評価制度は、
政治を感情から引き剥がすための道具だ。
反論⑤「聖域に手を付けると社会が混乱する」
これも典型的な恐怖訴求だ。
だが回復国家は、
一気に壊さない
という原則を守っている。
-
小さく始める
-
成果が出たら広げる
-
例外を作らない
混乱が起きるのは、
改革そのものではなく、
基準が曖昧な改革だ。
反論⑥「国民が監査役になるのは非現実的」
ここで言う監査とは、
専門家になることではない。
-
説明されていない点を疑問に思う
-
数字を確認する
それだけだ。
実際、回復国家の国民は
高度な専門知識を持っているわけではない。
「説明されないことは、おかしい」
この感覚を共有しているだけだ。
結論――反論が出ること自体が健全な兆候
重要な事実がある。
本当に不可能な改革には、反論すら集まらない。
反論が多いということは、
それだけ現行制度の核心に触れている証拠だ。
日本は、
-
壊れていない
-
だが、修正されていない
だからこそ、
「無理だ」という言葉が飛び交う。
最終一文(拡散用)
「それは無理だ」と言われる改革ほど、
実は一番現実的な修正である。