憲法
「憲法違反」そのものに対する直接的な罰則(懲役や罰金など)は、原則としてありません。
これには憲法の性質が大きく関わっています。わかりやすく3つのポイントで解説します。
1. 憲法は「国」を縛るルールだから
刑法などの法律は「国民」が守るべきルールであり、違反すると国から罰を与えられます。
一方で、憲法は**「国(権力者)」が暴走しないように縛るルール**です。そのため、憲法違反とは「国が行った政治や法律が、憲法に背いている」状態を指します。
2. 罰則の代わりに「無効」になる
憲法に違反した場合、罰則を受ける代わりに、その行為や法律が**「無効」**になります(憲法98条)。
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違憲判決: 裁判所が「この法律(または国の行為)は憲法違反だ」と判断すると、その法律は効力を失ったり、国に賠償責任が生じたりします。
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政治的責任: 国民が選挙を通じて、憲法違反を犯した政権を下野させる(投票しない)ことが、実質的なペナルティとなります。
3. ただし、公務員には「尊重擁護義務」がある
憲法99条には、公務員や国会議員、天皇などが憲法を守る義務(尊重擁護義務)が明記されています。
これに違反して具体的な違法行為をした場合は、憲法違反そのものではなく、「職務怠慢」や「公職選挙法違反」「収賄罪」といった具体的な法律違反として処罰されることはあります。
まとめ
| 種類 | 対象 | 違反した場合 |
|---|---|---|
| 法律(刑法など) | 一般国民 | 懲役・罰金などの罰則 |
| 憲法 | 国・公務員 | 法律などの無効化・政治的責任 |
補足: 憲法違反は「犯罪」というより「ルール違反による無効」というイメージに近いです。
**憲法(けんぽう)**とは、
国のしくみや権力の使い方を定め、国民の権利と自由を守るための最高のルールです。
もう少し具体的に説明しますね。
1️⃣ 国のルールのいちばん上
憲法は法律の中で最も強い効力を持ちます。
国会が作る法律や、政府の命令も、憲法に反してはいけません。
2️⃣ 国民の権利を守る
憲法には、国民が生まれながらに持つ権利(基本的人権)が書かれています。
例:
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表現の自由
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信教の自由
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生きる権利
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法の下の平等
国や権力者がこれらを勝手に奪えないようにしています。
3️⃣ 国の権力をしばる
憲法は国民を縛るためのものではなく、
国(政府・国会・裁判所)の力を制限するためのものです。
→ これを「立憲主義」といいます。
4️⃣ 日本国憲法の場合
日本国憲法には、主に次の三つの柱があります。
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国民主権(国の主人公は国民)
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基本的人権の尊重
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平和主義(戦争の放棄)
政治と関連する憲法とは、
政治の仕組み・権力の持ち方・政治参加の方法を定めている憲法の部分を指します。
日本国憲法を中心に、重要なポイントを整理します。
① 国民主権(政治の出発点)
第1条・前文 など
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日本の政治は国民が主権者
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天皇は「象徴」であり、政治の決定権は持たない
→ 政治は国民の意思に基づいて行われる
② 選挙と政治参加
第15条・第44条
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公務員を選ぶのは国民
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普通選挙・平等選挙の保障
→ 国民が政治に参加する仕組みを憲法が保障
③ 国会(立法権)
第41条〜第64条
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国会は「国権の最高機関」
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法律を作る唯一の機関
→ 政治の中心は国会にある
④ 内閣(行政権)
第65条〜第75条
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行政権は内閣に属する
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内閣総理大臣は国会が指名
→ 政治は国会の信任を基に運営される
⑤ 裁判所(司法権)
第76条〜第82条
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裁判所は独立して判断
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違憲審査権(法律が憲法に合っているか判断)
→ 政治の暴走を止める役割
⑥ 権力分立(政治の基本構造)
立法・行政・司法を分けることで、
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権力の集中を防ぐ
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相互にチェックする
→ 民主政治を守る仕組み
この文を日本国憲法に即してわかりやすく整理すると、次のようになります。
誰が政治を行い、どう決め、どう監視するか
① 誰が政治を行うか
👉 国民が主権者
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憲法前文・第1条
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国民が選挙で代表者を選ぶ
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選ばれた国会議員や内閣が政治を行う
② どう決めるか
👉 話し合いと多数決によって決定
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国会で法律を審議・制定
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内閣が政策を実行
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憲法と法律に基づいて政治を進める
③ どう監視するか
👉 権力分立と国民の監視
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国会:内閣を監視(内閣不信任決議など)
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裁判所:法律や政治が憲法に違反していないか判断
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国民:選挙・世論・言論の自由によって監視
「国民主権」を条文として明確に示している全文は、
日本国憲法 第1条です。
日本国憲法 第1条【全文】
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、
この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。
補足
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この条文の
「主権の存する日本国民」
という部分が、国民主権をはっきり示しています。 -
なお、国民主権は憲法前文にも詳しく書かれています。
**国民主権を示している日本国憲法・前文(該当部分)**は、次の文章です。
日本国憲法 前文(国民主権の部分)
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、
われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、
わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、
政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
ここに主権が国民に存することを宣言し、
この憲法を確定する。
ポイント
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「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」
→ 国民が選挙で政治に参加する -
「ここに主権が国民に存することを宣言し」
→ 国民主権を明確に宣言
日本国憲法 前文(国民主権の部分)
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたって自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
憲法には「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きないようにする」と国民がしっかり決めたって書いてある。
でも今の政治はどう?国民を置いてけぼりにした軍拡や、正当なプロセスを無視した決定ばかり。
「自由のもたらす恵沢」どころか、国民は苦しくなる一方。 憲法は権力を縛るためのルールなのに、肝心のルールが無視されてる。
#憲法無視 #政治不信 #主権は国民にある