脳梗塞
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脳梗塞に使われるお薬は、治療の時期(急性期か慢性期か)や脳梗塞のタイプによって使い分けられます。
主な薬の種類と目的は以下の通りです。
急性期(発症直後)の治療薬
発症直後の治療は、詰まった血管を再開通させたり、脳細胞が壊れるのを防ぐことが主な目的です。
- 血栓溶解薬(例:t-PA(アルテプラーゼ)):
- 発症から4.5時間以内という時間制限内で使用され、詰まった血栓を強力に溶かして血流を再開させます。
- 抗血小板薬(注射薬/内服薬、例:オザグレルナトリウム、アスピリン):
- 血小板の働きを抑え、血栓が新しくできるのを防ぎます。
- 抗凝固薬(注射薬、例:アルガトロバン、ヘパリン):
- 血液の凝固を防ぎ、血栓が大きくなるのを予防します。心臓が原因の脳梗塞(心原性脳塞栓症)などで使われます。
- 脳保護薬(例:エダラボン):
- 活性酸素の働きを抑え、脳細胞の障害が広がるのを防ぐ目的で使われます。
- 抗脳浮腫薬(例:グリセオール、マンニトール):
- 脳のむくみ(浮腫)を改善し、周囲の脳細胞への影響を抑えます。
慢性期(再発予防)の治療薬
症状が落ち着いた後や退院後は、脳梗塞の再発を防ぐための薬を継続して服用することが非常に重要です。
- 抗血小板薬(内服薬、例:アスピリン(バイアスピリン)、クロピドグレル(プラビックス)、シロスタゾール(プレタール)):
- 心臓以外の原因(血管の動脈硬化など)による脳梗塞の再発予防に使われます。
- 抗凝固薬(内服薬、例:ワルファリン、DOAC(プラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナなど)):
- 心臓の不整脈(心房細動など)が原因の脳梗塞(心原性脳塞栓症)の再発予防に使われます。
- 基礎疾患の治療薬:
- 再発の危険因子となる高血圧、糖尿病、脂質異常症などをコントロールするための薬も一緒に使われます。
これらの薬は、患者さんの病態や基礎疾患、アレルギーなどを考慮して医師が選択します。自己判断で服用を中止したり、量を変更したりすると再発のリスクが高まりますので、必ず医師の指示に従うことが大切です。
もし、ご自身やご家族が服用されている薬について、特定の薬の作用や副作用について詳しく知りたい場合は、さらに掘り下げて情報を提供できますが、必ず治療を受けている医療機関にご相談ください。