長時間座り続ける
長時間座り続けることは、身体に様々な負担をかけることが指摘されています。
主な健康へのリスクとしては、以下のようなものがあります。
- 代謝の悪化と疾患リスクの増加:
- 下肢の大きな筋肉が使われず、消費エネルギーや筋肉量が低下します。
- 血流が悪くなり、血液中の糖代謝や脂肪分解酵素の働きが悪くなることがあります。
- これにより、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクが高まります。
- さらに、心臓病、がん、脳血管疾患、認知症などの発症リスクも高まるとの研究結果があります。
- 身体の痛み:
- 座位姿勢は立位姿勢よりも腰に大きな負担(椎間板内圧)がかかり、腰痛や椎間板ヘルニアの原因になることがあります。
- 肩や首の痛みにつながることもあります。
- 血流の滞りと血栓リスク:
- 下半身の血流が滞りやすく、むくみの原因になります。
- 特に血行不良が続くと、下肢の静脈内に血の塊(血栓)ができやすくなり、**肺塞栓症(エコノミークラス症候群)**のリスクを高める可能性があります。
- メンタルヘルスへの影響:
- 座っている時間が長い人ほど、メンタルヘルスが悪い傾向にあるという調査結果もあります。
対策として重要とされていること:
- 座りすぎないこと: 長時間の座位行動を頻繁に中断し、立ち上がったり動いたりする時間を持つことが推奨されています。
- 「ブレイク」の導入: 研究では、長時間の座位行動を度々中断することで、血糖値、中性脂肪、血圧、疲労感などが改善されることがわかっています。
- 効果的な目安として「30分に1回、3分程度」のブレイクが推奨されています。
- 「運動不足」と「座りすぎ」は別の問題: 週末にまとめて運動するだけでは、長時間の座りすぎによる健康への悪影響や死亡リスクを低減することは難しいとされています。日頃から座りっぱなしの時間を減らす意識が大切です。