Auth0
Auth0は、アプリケーションやサービスに認証・認可機能を簡単に組み込めるクラウドベースの**Identity as a Service(IDaaS)**プラットフォームです。
主な特徴
認証機能の提供 ユーザー名・パスワード認証、ソーシャルログイン(Google、Facebook、GitHubなど)、多要素認証(MFA)、シングルサインオン(SSO)など、様々な認証方法を提供します。
開発者に優しい SDKやライブラリが豊富に用意されており、様々なプログラミング言語やフレームワーク(React、Angular、Node.js、Pythonなど)に対応しています。数行のコードで認証機能を実装できます。
セキュリティ 業界標準のプロトコル(OAuth 2.0、OpenID Connect、SAML)をサポートし、セキュリティのベストプラクティスを自動的に適用してくれます。
カスタマイズ性 ログイン画面のデザインカスタマイズや、認証フローの柔軟な設定が可能です。
利用シーン
- Webアプリケーション、モバイルアプリの認証機能
- API保護とアクセス管理
- 企業向けのシングルサインオン実装
- B2C/B2Bサービスのユーザー管理
2021年にOkta社に買収されましたが、独立したブランドとして継続しています。無料プランもあり、小規模なプロジェクトから大企業まで幅広く利用されています。
Auth0の基本的な使い方を説明します。
1. アカウント作成とセットアップ
Auth0アカウントの作成 https://auth0.com にアクセスして無料アカウントを作成します。
アプリケーションの登録 Auth0ダッシュボードで「Applications」→「Create Application」から、アプリケーションのタイプ(SPA、Web App、Native、M2Mなど)を選択して作成します。
2. 基本設定
作成したアプリケーションの設定で、以下を構成します:
- Allowed Callback URLs: 認証後のリダイレクト先URL
- Allowed Logout URLs: ログアウト後のリダイレクト先URL
- Allowed Web Origins: APIを呼び出すオリジンURL
3. 実装例(React)
インストール
npm install @auth0/auth0-react
Auth0Providerの設定
import { Auth0Provider } from '@auth0/auth0-react';
<Auth0Provider
domain="your-domain.auth0.com"
clientId="your-client-id"
redirectUri={window.location.origin}
>
<App />
</Auth0Provider>
ログイン・ログアウトボタン
import { useAuth0 } from '@auth0/auth0-react';
function LoginButton() {
const { loginWithRedirect, logout, isAuthenticated, user } = useAuth0();
return (
<div>
{!isAuthenticated ? (
<button onClick={() => loginWithRedirect()}>ログイン</button>
) : (
<>
<p>こんにちは、{user.name}さん</p>
<button onClick={() => logout()}>ログアウト</button>
</>
)}
</div>
);
}
4. よく使う機能
ソーシャルログインの追加 ダッシュボードの「Authentication」→「Social」から、Google、Facebook、GitHubなどの連携を設定できます。
多要素認証(MFA) 「Security」→「Multi-factor Auth」から、SMS、認証アプリなどの2段階認証を有効化できます。
ユーザー管理 「User Management」→「Users」で、登録ユーザーの確認・管理ができます。
5. API保護
Auth0でAPIを保護する場合は、「Applications」→「APIs」からAPIを登録し、アクセストークンを使った認可を実装します。
Auth0の公式ドキュメント(https://auth0.com/docs)には、各言語・フレームワーク別の詳細なクイックスタートガイドがあるので、そちらも参考にしてください。