Obsidianで日本語入力

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Linux環境でObsidianでのみ日本語入力ができない場合、WindowsやmacOSとは異なるアプローチが必要になることがあります。Linuxではデスクトップ環境(GNOME, KDE, Xfceなど)や使用しているIMEフレームワーク(Fcitx, IBusなど)によって設定方法が異なるため、それらを考慮した対処法を見ていきましょう。

Linuxに特化した対処法

基本的な対処法(Obsidianの再起動、コミュニティプラグインの無効化、テーマの変更、Obsidianの再インストール)はWindows/macOSと共通ですので、まずこれらをお試しください。

追加で確認すべき点(Linux固有):

  1. IMEフレームワークの確認と設定: Linuxでは、FcitxまたはIBusが主要なIMEフレームワークです。どちらを使っているか、そしてその設定が正しいかを確認することが重要です。

    • Fcitx (例: Fcitx5 + Mozc)

      • Fcitx5の状態確認: ターミナルで fcitx5 と入力してEnterを押し、エラーが出ないか確認します。既に起動している場合は「Fcitx is already running.」のようなメッセージが出ます。
      • 入力メソッドの確認: fcitx5-configtool (または fcitx-configtool if using Fcitx4) を実行し、使用したい日本語入力(例: Mozc, Anthy)が「入力メソッド」リストに追加され、有効になっているか確認します。
      • 環境変数の設定: $HOME/.profile$HOME/.xprofile、またはデスクトップ環境の自動起動スクリプトなどに、以下の環境変数が設定されているか確認します。
        export GTK_IM_MODULE=fcitx
        export QT_IM_MODULE=fcitx
        export XMODIFIERS=@im=fcitx
        export DefaultIMModule=fcitx
        
        変更した場合は、ログアウト・ログインが必要です。
    • IBus (例: IBus + Mozc)

      • IBusの状態確認: ターミナルで ibus-daemon -x -d と入力してEnterを押し、エラーが出ないか確認します。
      • 入力メソッドの確認: ibus-setup を実行し、使用したい日本語入力(例: Mozc, Anthy)が「入力メソッド」リストに追加され、有効になっているか確認します。
      • 環境変数の設定: $HOME/.profile$HOME/.xprofile などに、以下の環境変数が設定されているか確認します。
        export GTK_IM_MODULE=ibus
        export QT_IM_MODULE=ibus
        export XMODIFIERS=@im=ibus
        export DefaultIMModule=ibus
        
        変更した場合は、ログアウト・ログインが必要です。
    • 重要: どちらかのフレームワークしか使わないように設定し、両方が競合しないようにしてください。

  2. Obsidianのインストール方法: Obsidianをどのようにインストールしましたか? AppImage、Snap、Flatpak、あるいはDEB/RPMパッケージで直接インストールしたかによって、サンドボックス化のレベルやIMEとの連携に違いが出ることがあります。

    • Snap/Flatpakの場合: これらはサンドボックス環境で動作するため、システム全体のIMEと連携しにくい場合があります。
      • Flatpakの場合: flatpak run --env=GTK_IM_MODULE=fcitx com.obsiidian.Obsidian のように、Flatpakコマンド実行時にIME関連の環境変数を渡すと改善することがあります。また、Flatpak用のIME拡張機能がインストールされているか確認してください(例: flatpak install flathub org.freedesktop.Platform.IM.Fcitx5)。
      • Snapの場合: SnapパッケージはIMEとの連携が難しいことが知られています。Snap版で問題が解決しない場合、AppImage版やDEB/RPM版の使用を検討する方が早いかもしれません。
      • AppImageの場合: AppImageは比較的システムIMEと連携しやすいですが、それでも環境変数の設定が重要です。AppImageを実行する前に上記IME関連の環境変数が設定されていることを確認してください。
  3. GTK/Qtテーマの確認: ObsidianはElectronベースであり、GTKまたはQtのレンダリングエンジンを使用しています。デスクトップ環境のテーマ設定や、GTK/QtのバージョンがIMEの動作に影響を与えることがあります。

  4. IMEのプロセスが起動しているか: ターミナルで ps aux | grep fcitx または ps aux | grep ibus を実行し、IMEのプロセスが実際にバックグラウンドで起動していることを確認します。

  5. 他のElectronアプリケーションでの動作: 他のElectronベースのアプリケーション(例: VS Code, Slack, Discord)で日本語入力ができるか確認してください。もしそれらでもできない場合、Electronアプリケーション全般とIMEフレームワークの連携に問題がある可能性が高いです。

トラブルシューティングの一般的な流れ (Linux)

  1. 基本的なObsidianの再起動・プラグイン/テーマ無効化 を試す。
  2. OSレベルで日本語入力が完全に機能しているか を確認(テキストエディタ、ブラウザ、ターミナルなどで)。
  3. 使用しているIMEフレームワーク(Fcitx/IBus)が正しく設定され、起動しているか を確認。特に環境変数。
  4. Obsidianのインストール方法がIME連携に影響していないか を検討。特にSnap/Flatpakの場合は、AppImage版などを試してみる。
  5. 他のElectronアプリでどうか を確認。

Linux環境は設定が多岐にわたるため、少し手間がかかるかもしれませんが、一つずつ確認していくことで問題解決の糸口が見つかるはずです。`