Vibe Codingのやり方

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「Vibe Coding(バイブ・コーディング)」とは、アンドレイ・カルパシー(元OpenAI/Tesla)などが提唱して話題になった**「詳細な構文やロジックを人間が書くのではなく、実現したいこと(Vibe/雰囲気/ノリ)をAIに伝えて、コードの大部分を書かせるスタイル」**のことですね。

Google AI Studioは、特に**Gemini 1.5 Proの超ロングコンテキスト(大量の情報を一度に読み込める能力)**を持っているため、このVibe Codingに非常に適しています。

Google AI StudioでVibe Codingを実践する具体的な手順とコツを解説します。


1. 基本的な準備

まず、Google AI Studio にアクセスします。

  1. Create New をクリックし、Chat prompt を選択します。
  2. ModelGemini 1.5 Pro を選択することをお勧めします(コーディング能力と理解力が高いため)。

2. Vibe Coding の実践ステップ

Vibe Codingの極意は**「詳細な仕様書を書くのではなく、素材をぶち込んで『いい感じにして』と頼む」**ことです。

A. 「見た目」からコードを作る(スクショ活用)

これが最もVibe Codingらしい使い方です。

  1. 作りたいアプリやWebサイトの手書きメモ、あるいは「こんな感じのデザインにしたい」という参考サイトのスクリーンショットを撮ります。
  2. Google AI Studioのプロンプト入力欄にある 「+」ボタン(Add to prompt) から画像をアップロードします。
  3. プロンプトにこう書きます:

    「この画像のUIを再現するHTML/Tailwind CSS/Reactのコードを書いて。モダンで洗練された雰囲気(Vibe)にして。」

B. 「全部読んで」から修正させる(ロングコンテキスト活用)

既存のプロジェクトがある場合、ファイルの中身を理解させるのが面倒ですが、Google AI Studioなら「全部」読ませられます。

  1. 自分のプロジェクトのソースコードファイルを複数(あるいはフォルダごとzipにして)アップロードします。
  2. プロンプトで指示します:

    「アップロードしたコードを読んで。これにダークモード切り替え機能を追加して。既存のデザインのVibeを壊さないで実装して。」

3. System Instructions で「Vibe(ノリ)」を固定する

画面上部の System Instructions 欄を使うと、AIの「人格」や「コーディングの癖」を固定できます。毎回指示しなくて済むので効率的です。

おすすめの設定例:

あなたは世界最高峰のフルスタックエンジニアです。

  • コードは常に簡潔で、最新のベストプラクティスに従ってください。
  • エラーハンドリングよりも、まずは動くプロトタイプを最速で作ることを優先してください(Vibe Coding重視)。
  • 説明は短く、コードを長く出力してください。
  • フレームワークは Next.js 14 (App Router) と Tailwind CSS を使用してください。

4. 生成されたコードの運用

Google AI Studio自体には、VS Codeのような高度なエディタ機能やプレビュー機能はありません(コードの実行機能はありますが限定的です)。

  1. Geminiが出力したコード右上の Copy を押すか、Export to Code を使います。
  2. 自分のPCのエディタ(VS Codeなど)や、StackBlitz / Replit などに貼り付けて動作確認します。
  3. エラーが出たら?
    • エラー文をそのままコピーして、AI Studioのチャットに貼り付けます。
    • 「直して」と一言添えるだけで修正版を出してくれます。

Google AI Studio で Vibe Coding をするメリット

他のAIエディタ(Cursorなど)と比較した際の、Google AI Studioならではのメリットは以下の通りです。

  • 圧倒的なコンテキスト量 (1M/2M トークン): ドキュメント丸ごと、本一冊、あるいは動画ファイルさえも読み込ませて、「この動画の挙動と同じアプリを作って」という指示が可能です。
  • 無料枠が強力: 現在(2025年時点)、高性能なGemini 1.5 Proをかなりの回数無料で使えます。
  • マルチモーダル: 「ホワイトボードの汚い字」や「動画」からコードを起こす能力が非常に高いです。

まとめると: 「きっちり設計してから書く」のではなく、「画像やファイルを放り込んで、自然言語で『こんな感じ!』と指示し、コードコピペ&エラー修正のループを高速で回す」。これがGoogle AI StudioでのVibe Codingです。