小便器のひび割れ
小便器のひび割れ補修は、ひびの程度(表面上の細いものか、水漏れを伴う深いものか)によって対処法が異なります。
自分で補修できるのは、あくまで**「表面の小さなひび(ヘアラインクラック)」や「軽微な欠け」**程度です。大きな割れや水漏れがある場合は、安全のため交換を検討してください。
以下に、一般的な補修手順を解説します。
1. 準備するもの
ホームセンターなどで以下の材料を揃えます。
- 陶器用補修剤(エポキシパテ・リペアキット): 「陶器用」「洗面台・便器用」と記載があるものを選びます(セメダインやコニシなどが有名)。
- 耐水ペーパー(やすり): #400〜#1000程度。
- 脱脂剤: アルコール、または除光液(汚れや油分を落とすため)。
- ヘラ: パテを塗り込むため。
- マスキングテープ: 周囲を汚さないため。
2. 補修の手順
① 洗浄と乾燥
ひび割れ部分の汚れ、尿石、カビを完全に落とします。その後、水分が残っていると補修剤が密着しないため、ドライヤーなどで完全に乾燥させてください。
② 脱脂
アルコールを含ませた布でひび割れとその周辺を拭きます。これにより、パテの食いつきが良くなります。
③ マスキング(養生)
補修する箇所のすぐ周りにマスキングテープを貼ります。仕上がりが綺麗になり、余計な場所にパテがつくのを防げます。
④ 補修剤(パテ)の充填
2液混合タイプの場合はよく混ぜ、ひびの中に押し込むようにヘラで塗ります。少し盛り上がる程度に塗るのがコツです。
⑤ 硬化
製品の指定時間通りに放置します(数時間〜1日程度)。この間、水がかからないように注意してください。
⑥ 表面の仕上げ
パテが完全に固まったら、耐水ペーパーに水をつけて表面を削ります。
- 最初は少し粗い目のやすりで平らにし、最後は細かい目で周辺の陶器となじませるように磨きます。
3. 注意点と限界
- 構造的なひび割れは直せない: 便器の裏側まで貫通しているひびや、そこから水が漏れている場合は、パテで埋めても圧力や温度変化ですぐに再発します。
- 強度の低下: 陶器は一度割れると強度が著しく落ちます。補修はあくまで「見た目の改善」と「汚れの侵入防止」であり、新品同様の強度に戻るわけではありません。
- 怪我に注意: ひび割れ部分は非常に鋭利です。作業中に手を切らないよう、軍手やゴム手袋を着用してください。
4. 交換を検討すべきケース
以下のような場合は、DIYでの補修は諦めて専門業者に依頼するか、便器の交換をお勧めします。
- 水漏れしている: 階下漏水や床の腐食の原因になります。
- ひびが大きく、全体に広がっている: 使用中に突然割れて大怪我をするリスクがあります。
- 設置から20年以上経過している: 陶器自体の寿命や、排水パッキンの劣化が進んでいる可能性が高いため、修理より交換の方が安く済むことがあります。
もし賃貸物件であれば、自分で直さず必ず管理会社や大家さんに連絡してください。
陶器用(便器・洗面台)の補修剤として、ホームセンターやAmazonなどで入手しやすく、実績のある具体的な商品名をいくつか挙げます。
用途に合わせて「粘土のようなパテタイプ」か「液体に近い接着剤タイプ」を選んでください。
1. 欠けや深いひびに:エポキシパテ(粘土タイプ)
練って形を作り、ひびに押し込むタイプです。厚みを出したり欠けた部分を肉盛りしたりするのに最適です。
- セメダイン「エポキシパテ 陶器用」
- 最も定番の商品です。硬化後は白くなり、陶器の質感に近くなります。
- 硬化後にヤスリで削って形を整えることができます。
- コニシ(ボンド)「防水パテ(ホワイト)」
- 水まわりに強く、洗面台や便器の補修によく使われます。
- ヘンケルジャパン(ロックタイト)「多用途補修パテ」
- 切って練るだけで使いやすく、非常に強力に硬化します。
2. 細いひび(ヘアライン)に:高粘度・充填用接着剤
パテが入らないような細い筋には、流し込みやすいタイプが適しています。