BDRとSDRとABM

Page content

インサイドセールス(内勤営業)における BDRSDR の主な違いは、簡単に言うと**「攻めの営業」「受けの営業」**かという点にあります。

両者はどちらも「商談を創出してフィールドセールスに繋ぐ」という役割は共通していますが、ターゲットとする顧客層やアプローチ手法が大きく異なります。


BDRとSDRの比較表

項目 BDR (Business Development Representative) SDR (Sales Development Representative)
主な手法 アウトバウンド(攻め) インバウンド(受け)
ターゲット 新規開拓、エンタープライズ(大手企業) 問い合わせ、資料請求があった見込み客
アプローチ先 接点のないターゲット企業へ戦略的に接触 自社に興味を持ってくれた層へ迅速に対応
難易度 高い(接点ゼロから関心を持たせる) 比較的低い(すでに関心がある)
主なKPI 有効商談数、ターゲット企業への接触率 商談化率、リード対応スピード

1. BDR (Business Development Representative)

BDRは、自社が狙いたい**特定の企業(ターゲットアカウント)**に対して、こちらから能動的に仕掛ける役割です。

  • 特徴: 手紙、電話、SNS(LinkedInなど)を駆使し、決裁権者(役員クラスなど)に直接アプローチすることが多いです。

  • 強み: 自社にとって理想的な「大口顧客」を戦略的に狙い撃ちできるため、成約時のインパクトが非常に大きくなります(ABM:アカウント・ベースド・マーケティングの考え方に近いです)。

2. SDR (Sales Development Representative)

SDRは、ウェブサイトからの資料請求や展示会などで獲得した**「リード(見込み客)」**に対応する役割です。

  • 特徴: 「興味がある」と手を挙げた人に対して、熱が冷めないうちに素早く連絡を取り、課題をヒアリングして商談を設定します。

  • 強み: すでにニーズが顕在化している層を扱うため、効率的に多くの商談を生み出すことができます。


なぜ使い分けるのか?

多くのB2B企業では、**「効率よく数を稼ぐSDR」「時間はかかるが大きな利益を狙うBDR」**を組み合わせることで、安定した売上成長を目指します。

例えば、中小企業からの問い合わせはSDRが効率的に裁き、一方で市場シェア拡大に不可欠な大手企業に対してはBDRがじっくりと戦略的な網を張る、といった使い分けが一般的です。

ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)BDR/SDRの違いを一言で言えば、**「戦略(考え方)」「実行部隊(役割)」**かという違いです。

ABMは「どの企業を攻めるか」という組織全体の戦略を指し、BDRやSDRはその戦略を実現するための「人・チーム」を指します。


ABMとインサイドセールス(BDR/SDR)の関係図

ABMという大きな戦略の枠組みの中に、実行フェーズとしてBDR(またはSDR)が組み込まれているイメージです。

項目 ABM BDR / SDR
定義 戦略・コンセプト 役割・職種(実行担当)
視点 「点(個人)」ではなく**「面(企業単位)」** 「リード(個人)」へのアプローチ
範囲 マーケ・営業・CS・経営層の連携 主にインサイドセールス部門の活動
目的 ターゲット企業の売上最大化 商談の創出(アポイント獲得)

1. ABMは「全社的な作戦」

ABMは、不特定多数にアプローチするのではなく、**「利益への貢献度が高い特定の企業(アカウント)」**を定義し、その企業専用のラブレターを送るようなマーケティング手法です。

  • マーケティング部がその企業専用の広告を出し、

  • 営業部がその企業の課題に特化した提案書を作り、

  • インサイドセールスが決裁権者に接触する。

    このように、部署を横断して一丸となって動くのがABMです。

2. BDR/SDRとの具体的な関わり

特にBDRは、ABM戦略において極めて重要な役割を担います。

  • BDRとABM: 非常に相性が良いです。ABMで選定された「重要攻略企業」に対し、BDRが戦略的に(手紙や役員への直接の繋がりなどを駆使して)切り込みます。

  • SDRとABM: 本来のSDR(受けの営業)はABMとは逆の性質を持ちますが、最近では「ターゲット企業から問い合わせが来たら、最優先でSDRが対応する」といった形でABMに組み込まれるケースが増えています。


まとめ:何が違うのか

  • ABM: 「この10社を絶対に落とすために、全社でどう動くか?」という地図(戦略)

  • BDR: 「ABMの地図に従って、実際にその企業の門を叩きに行く」という実行役(役割)

「誰に(ABM)」「どうやって(BDR/SDR)」アプローチするか、というセットで語られることが多い概念です。

例えば、日本とブラジルのような異なる商慣習を持つ市場をまたいで展開する場合、まずはABMで「両国に拠点を持つ製造業」などのターゲットを絞り込み、そこに特化したBDRが動くといった形が非常に効果的です。

具体的に、特定のターゲット層に対してABM的なアプローチを検討されているプロジェクトはありますか?